美術館は楽しい!(ヨーロッパ旅行紀番外編)
先月ヨーロッパ旅行記を書きましたが、一番楽しかった「オルセー美術館」のことを書くと
長~くなってしまったので、今回は旅行記番外編ということで、
オルセー美術館と印象派についてご紹介させていただきます。
オルセー美術館は有名な印象派の絵はだいたい置いてある美術館で、元々は駅として使われていた建物です。
私は印象派が好きなので、振り向けば名画がある空間がたまらなく楽しかったです。
そもそも印象派って何?というところですが、19世紀のフランスの絵の業界は、
年に1回開かれるサロン(パリ芸術アカデミー公式展覧会)で評価された作品が「良い作品」として評価され、
サロンに入選するかどうかが画家にとって死活問題でした。
しかし、「審査員の好みで人生を左右されるのは嫌だ!」「自分たちで展覧会をやろう」と集まり、
展覧会を開いて絵画を売ろうとしたグループが印象派なのです。
印象派という名前も、第1回展覧会でモネが描いた「印象・日の出」という作品を
「単なる印象でしかない。描きかけの壁紙のほうがまだましだ」と批評家が揶揄した言葉からきています。
描き方やモチーフも当時の常識とは全く違い、外に出て現代社会や風景を見たまま描いたり、
「筆触分割」と呼ばれる画法で、絵具を混ぜずにそのまま色を置くことで
明るい画面になるように描いています。
当時は酷評されていましたが、アメリカで評価されて逆輸入でフランス国内での
評価も上がり、生きたまま巨匠と呼ばれるまでになりました。
それでは印象派の画家についてご紹介。
モネ
「光の画家」と呼ばれる画家。移り行く光や空気感がとても美しいです。
ルノワール
「楽しくなかったら絵なんか描かない」と言っていたというルノワール。
どの絵も柔らかい雰囲気で楽しそうです。特に女性を描くのが好きだったようです。
セザンヌ
「林檎一つでパリを征服したい」が口癖だったそう。
静物画は様々な視点が混在した不思議な絵を描いています。
どう良いのかと言われると説明しづらいですが、「なんか良い」絵。味があって好きです。
ピサロ
穏やかで誠実な人柄から「パパ・ピサロ」と呼ばれていた人。
新たな考えを謙虚に学んでどんどん取り入れるので、「同じ人が描いたの!?」というくらいに画風が変わります。
シスレー
画風がぶれることなく、黙々と風景画を描いています。生きている間に唯一日の目を見なか印象派画家。
スーラ、シニャック
「新・印象派」とよばれる点描画家です。印象派画家は感覚的に色を置いていましたが、
それを科学的に研究し原理を突き止め、 (隣り合った色の点々は離れて見ると脳内で色が混ざって見える、隣り合った色によって色は見え方が変わってくる) 点描で意識的に色を置いて絵を描きました。
ドガ
踊り子の絵が有名です。踊り子大好き!というわけではなく、
たくさん描いていた理由は「よく売れるから」。
マネ
「印象派の父」と呼ばれる、印象派グループの先輩画家。※印象派ではない。
古典の構図で現代の娼婦を描いたりしていたので
描くたびに大炎上していました。(当時描いてもよい裸体は聖書や神話の登場人物だけでした)
1度は聞いたことのある画家、見たことのある絵はあったのではないでしょうか?
「芸術はよくわからないから・・・」と言われる方もいらっしゃいますが、
難しいことは考えずに、ただ見たまま感じて楽しめばよいものだと私は思っています。
自分好みなデザインの服やカバンを見つけた時と同じように、
「この感じ好きだなー」と思える自分好みを発見すると美術館はとても楽しくなります!
さらにその作品や作者さんを調べたりすると、様々なエビソードが出てきてもっともっと楽しくなりますよ。
印象派は近場だと「ひろしま美術館」で「印象派のいろは展」を開催中。
山口県立美術館では、現在東京都美術館で開催中の「ハマスホイとデンマーク絵画」が4月より開催されます。
自分好みを見つけに、美術館へ足を運んでみてはいかがでしょうか?
投稿者:相本